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2023/05/27 17:19

「片喰紋」の由来とその意味

「片喰紋」とは、日本の家紋の一種であり、日本十大家紋の一つに数えられます。この紋章は、平安時代には既に車紋として使用されていたことが記録されています。片喰紋は、繁殖力が強く、一度根付くと絶えることが困難であるという特徴から、「(家が)絶えない」という意味合いを持ち、武家の間で家運隆盛や子孫繁栄の象徴として使われていました。

戦国時代の大名である長宗我部元親や上泉信綱など、土佐長宗我部家や新陰流の武将たちが「酢漿草紋」を家紋として用いていました。また、徳川氏譜代の酒井氏も「剣酢漿草」「丸に酢漿草」といったバリエーションの酢漿草紋を使用していました。さらに、広瀬淡窓や広瀬勝貞といった儒学者や政治家を輩出した商家廣瀬家も「丸に酢漿草」を使用していました。また、田中角栄も「剣片喰」を家紋として採用していました。

「片喰」は、ハート型の葉が3つ描かれる特徴があります。さらに、丸や剣、蔓などを組み合わせることもあります。また、「片喰の実」と呼ばれる蕾を描いたデザインも存在します。単数の場合は、3つから4つの葉が描かれます。「四つ葉片喰」と呼ばれるデザインは、シダ植物のデンジソウを図案化した「田字草紋」と似た特徴を持っています。複数の片喰が組み合わさる場合は、2つから7つの葉が組み合わされることがあります。

「片喰紋」は、その由来や意味からも家族の繁栄や結びつきを象徴する重要な家紋です。多くの武将や著名人が使用しており、また学校や組織の紋章としても採用されています。その美しいデザインと縁起の良さから、今でも多くの人々に愛されています。