重要なお知らせエリアを非表示

2023/05/27 17:39

「蔦紋」の由来と特徴

「蔦紋(つたもん)」は、ツタの葉・茎・花を図案化した日本の家紋の一種です。元々は柏紋の派生とされ、皇族の家紋や副紋としても使用されました。著名な家庭、特に棚倉藩主である松平松井家などでも見られる家紋です。

蔦紋の家紋としての初出は明確ではありませんが、江戸時代には松平氏が使用し、徳川吉宗という8代将軍が用いたことにより広まったと言われています。現在では、多くの家庭で使用されており、日本十大家紋の一つとされています。

『見聞諸家紋』には、椎名氏(蔦)、富田氏(蔓蔦)、高安氏(竹笹輪に蔦)などが掲載されています。また、『寛政重修諸家譜』には、津藩藤堂氏が「藤堂蔦」、本荘藩六郷氏、西尾藩(大給)、小島藩(滝脇)、棚倉藩(松井)など、各地の松平氏が「蔦」を使用していることが記載されています。

また、蔦は他の樹木や建物に絡みつく性質を持っているため、女紋としても使用されることがありました。芸妓や娼婦などは、蔦が茂って絡みつく様子から、一生離れることのない客との関係を象徴するために蔦紋を用いたと言われています。

蔦紋は、その独特なデザインと由来から、日本の家紋の中でも特に注目される存在です。その絡みつく姿勢や繁茂する美しさは、家族や縁者との絆や継続的な関係を象徴し、多くの人々に愛されてきました。